《金シャチ横丁・5》 大イチョウを守ろう・活動日誌


↑ 樹齢数百年の名古屋城のご神木・大イチョウ


《前回までのあらすじ》
 … 樹齢数百年の大イチョウを守るため、2011年から活動していましたが、とうとうその場所に金シャチ横丁が建てられてしまいました。


○ 前回はこちら
《金シャチ横丁・4》 オープン (2018.3.29)



4月3日(火) 2018.

 緑政土木局・中土木事務所宛てに、次の内容でメールを送らせてもらいました。

大イチョウ (市内最大)
オガタマノキ (市内最大)
イブキ (相当に古い)
ムクノキ (名古屋城一帯では、最大)
イヌマキ (市内最大)

 ……などの敷地内の貴重な樹木について、

1、市の保存樹に指定されていますか?
2、金シャチ横丁建設にあたって、環境影響評価は行いましたか?
3、今後、貴重な樹木を保全していくにあたって、なにか積極的なアクションはありますか?

「市と市民にとっての貴重な財産である樹木・古木を護りたく思っております。 突然のメールにて失礼ながら、ご回答のほど、なにとぞよろしくお願い致します。」




4月11日(水) 2018.

 一週間経ってもなんの回答もなかったため、再度、メールにて問い合わせを行ないました。

 その後、電話連絡をいただくことができ、名古屋市観光文化交流局・名古屋城総合事務所のほうから、説明をいただける運びとなりました。



4月12日(木) 2018.

 観光文化交流局・名古屋城総合事務所から電話をいただき、問い合わせ内容について話し合いました。


4月13日(金)

 観光文化交流局・名古屋城総合事務所から電話をいただき、問い合わせ内容について話し合いました。

 この二回の話し合いの結果、先の質問に対して、次のような回答が得られました。



1、問い合わせの各個の樹木は、保存樹・保存樹木には指定されていない。
  (金シャチ横丁の敷地内にふくまれる樹木は、大イチョウ、イヌマキ、ムクノキのみっつである)

2、金シャチ横丁建設にあたって、周囲の緑の環境に対する環境影響評価は行わなかった。

  個別の樹木に対して、外部の専門家による診断も行わなかった。

  ただし、大イチョウの剪定の際に、樹木医の資格をもつ内部の職員が、立ち合った。

3、今後、特に専門家による保護を行なう予定はない。


 ……私は、唖然としました。

 市と名古屋城総合事務所が開催した、あの市民討論会はなんだったのか? ⇒ 市民大討論会

 私はその時、

「金シャチ横丁開発にあたっては、こうした敷地内の貴重な樹木を絶対に枯らさないよう、逆に、保護力を高められるよう、万全なる保全をお願いしたい」

 ……と、市長をはじめ、市民や名古屋城のスタッフの方々の前で、お願いしたのでした。それが、ほとんど無視された形になってしまいました。なんのための討論会だったのでしょうか?

 金シャチ横丁建設に伴う急激な環境変化によって、大イチョウたちの保護力が以前よりも弱まったことは確かです。

 私は悲しみと怒りに陥りかけたのですが、……いかんいかん、冷静に、粘り強く交渉して、専門家による保護を求めていくしかない、 と、気合を入れなおしました。




4月15日(日) 2018.

 上の話し合いをもとに、さらに疑問点・不十分な点などをリストアップし、メールを送らせてもらいました。

 貴重な樹木が存在するエリアであったにも関わらず、環境影響評価が行われなかったのはなぜなのか? 金シャチ横丁開発において、樹木は大きな環境変化を受けているのだから、貴重な樹木の健康を守るために、専門家による診断を行なうべきで、今後も、定期的な検診をつづけるべきだ、……という内容を訴えました。


 緑の維持と拡張を訴えている市そのものが、それに反する政策を行なった時、それを調整なり、修正する機関は存在しません。いったい、どうすればよいのか。なんの権力も持たない一市民が、どうやって行政を変えていくことができるのだろうか? 私は毎日、どのようにしたら貴重な樹木を守っていけるのか、頭を悩ませておりました。頭を悩ませるだけでなく、計画を立てて、できうるかぎりの行動をしました。



4月20日(金) 2018.

 観光文化交流局から電話をいただくことができました。次のような内容でした。

検討の結果、 金シャチ横丁敷地内の、大イチョウ、ムクノキ、イヌマキの三本について、 名古屋城内のカヤ(天然記念物)と同じような形で、日本樹木医会の定期的な診断を仰ぐ方向で話を進めていくことになった。

 ……という内容でした。このHPのほうも、よく目を通してくださったようでした。

 これは大きな前進でした。 ぱっと希望の光が灯ったように感じました。
 最初の段階では、名古屋城観光文化交流局さんは、 ほとんど樹木に関する関心をすら持っていないような状態でしたから、 本当に大きな前進と言えると思います。素晴らしい判断を下してくださった名古屋城観光文化交流局さんに、心から感謝の意を表したいと思います。
 私としましては、今後も動向を見守り、専門家による定期的な診断がしっかりと行われているかどうかを確認して参りたいと思います。 それとともに、もっと保護力を高める手立てはないか、今後も色々と考えて参りたいと思っております。





《金シャチ横丁・1》 建設予定地について (2011.10.29)
《金シャチ横丁・2》 市民大討論会 (2012.2.19)
《金シャチ横丁・3》 その後の動き (2014.11.14、2015.11.16)
《金シャチ横丁・4》 オープン (2018.3.29)

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