ゆきのまち幻想文学賞とは?

「雪をテーマにし、雪の幻想性を表現した小さな物語」を、一般から募集する文学賞です。
毎年、全国から千編近くの応募があります。
また、過去の入選経験者を対象とした、長編部門もあります。

入選以上の応募作は、毎年、小品集として一冊の本にまとめられます。
毎年毎年、それこそ雪が降るように、雪のネタも尽きることなく、全国の書き手のもとへ、天から舞い降りてくるようです。
美しい物語、切ない物語、笑えるような物語、色っぽい物語…… さまざまな雪のアイデアが詰まった、《雪の宝石箱》のような、この素晴らしい小品集は、ネットや書店でご注文いただけます。

雪を愛する方、自然を愛する方、雪国にお住まいの方も、雪国に憧れる方も、多くの方にぜひお読みいただきたい、小品集です。


2017

27
大賞 小滝ダイゴロウ カンジョンの砂絵 チベットの山上の僧院で、悩める修行僧・カンは、世にも不思議な砂絵を描いてしまう。師弟の愛情と、深い絆を描いた物語。

審査員の萩尾望都先生から、
「文章を読んで、イメージがあざやかに浮かびあがる」
「天から雪が降るのと砂絵の世界観が、輪廻転生を美しく表現」
…との、ありがたいお言葉をいただきました。
 
長編賞 あまのかおり 女神の祝福 (コメント作成中)
2016

26
大賞 伊藤万記 冬の虫 近所の無人駅へと、通いつづける祖父。その祖父を、連れ戻しにゆく、主人公の少年。……高校受験、十代の不安、閉塞感、迷い……。祖父が駅に通うことの理由はなんなのか。そして物語はどこへ向かってゆくのか。

雪国の家族の日常を、細に入って、文学として表現。 その切れ味のよい文章は、あまりに見事。丹念に、丁寧に、雪を描写してゆきます。 温度の希薄な《日常》というもののなかに潜む、冷たさ、温かさが、十二分に表現されています。物語にあふれる生活感、現実感の描写の確かさが、読者を幻想の世界へと一挙に引きずり込みます。静けさのなかに、おそろしいばかりの迫力を秘めた作品です。


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準大賞 小滝ダイゴロウ 倍音の雪 東京でストリート・ミュージシャンをつづける四朗は、父危篤の一報を受けるが、帰郷をためらう。かれには父との心の確執があった。そんな時、父から手紙が届いて……。

審査では、伊藤万記さんと激しくデッドヒート、惜しくも準大賞に。そんな審査の模様が『公募ガイド』誌上に掲載されました。
2015

25
大賞 小さな魔法の降る日に (コメント作成中)
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佳作

小滝ダイゴロウ 消えた十二月 慶応(けいおう)三年、十二月三日、佐幕派の武士・清蔵は、維新派の手によって、愛息・純之助を亡くす。明治五年十二月、維新政府は太陽暦導入のため、十二月二日の翌日を、明治六年一月一日とすることに決定。愛息の命日までをも奪った維新政府に、清蔵の怒りが爆発する。

設定はシリアスながら、清蔵のユーモラスなキャラクターが受け、佳作の一席という高評価をいただきました。
2011

21
大賞 坂本美智子 風花 (コメント作成中)
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長編賞 加藤清子 春を待つクジラ (コメント作成中)
長編入選 水嶋大悟
(小滝ダイゴロウ)
於布津弁天 明治初年、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)の嵐が吹き荒れ、職を失った仏師・電蔵は、足のおもむくまま、北にむかって旅をする。雪国の遊郭(ゆうかく)・蓬莱楼(ほうらいろう)……そこで巡りあったのは、世にも素晴らしい歌を歌う盲目の少女であった。
2008

18
大賞 前川亜希子 河童と見た空 (コメント作成中)
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長編賞 小滝ダイゴロウ シュネームジーク 雪降るドイツを舞台に、天才音楽家ディオンが、激しい一生を駆け抜ける。かれを冷静に見つめつづける、幼馴染・アーガトン。ふたりのかけがえのない友情の物語。

「フィクションなのだけれども一人の伝記を読んでいるようだ」(高田宏先生)
「アイデアがぞっとするくらいおもしろかった」(萩尾望都先生)
「書き手は芸術家の心理を非常によくわかっている」(乳井昌史先生)
…審査員の先生方から、すばらしい高評価をいただきました。

高田先生から、「この作品には、人間への信頼がある。そこがいい」とのお言葉をいただき、これからもその部分を大切にしていきたいと思いました。
2007

17
大賞 宇多ゆりえ おいらん六花 (コメント作成中)
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長編賞 大沼珠生 きつね与次郎 (コメント作成中)
長編佳作 小瀧ひろさと
(小滝ダイゴロウ)
ホワイト・テンポ 高校生の少女・愛瑠(あいる)は、神事で舞を舞う「白拍子(しらびょうし)」を職業にする、という夢を追いかけていた。それをサポートする、チョイ悪な感じのじいさん・トモ蔵。ふたりは、飛行機に乗って、とある目的地を目指す。

審査員の高田宏先生から、高評価をいただきました。「キャラクターが、よかったよ」と言ってくださった、あの時の先生の笑顔が、忘れられません。
2003

13
大賞 国吉史郎 赤い女 (コメント作成中)
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長編入選 小瀧ひろさと
(小滝ダイゴロウ)
天使が雪にかわるまで 堕天使のルツィフェルは、神の手により、凍結地獄(コキュートス)へ追放、投獄される。病に苦しむルツィフェル。その冷たい部屋をおとずれた陽気な少女は、天使・ミァエルだった。ミァエルは、ルツィフェルを外の世界へ連れ出そうとする。

「ビジュアル的に綺麗」と、萩尾望都先生からよい評価をいただきました。
1998


大賞 北原尚生 雪の道標 (コメント作成中)
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入選 小瀧ひろさと
(小滝ダイゴロウ)
*クロッケル* 元気だが、すこし憂鬱な女の子・ヒルデと、ドジでのろまな少年・ジル。そして、ふしぎな雪天使・クロッケルがあらわれて……。ヨーロッパの雪国を舞台に、少女と少年の成長を描いた作品。

記念すべき初応募・初入選……すべてはこの物語からはじまった! キャラクターが生き生きしているところが、評価されました。