さる5月某日(2018)、愛知県瀬戸市にある養蜂博物館に、養蜂(ようほう)体験にでかけてきました!
朝、家を出ると、近所の川原では、桑(くわ)の実が満開。
う〜む、あまくておいしい☆
ハッ、いかんいかん。今日はハチミツを研究しにいくのだった!
ずんぐりして毛がふさふさしたミツバチが、昔から大好きでした。 近郊に、養蜂体験ができる場所があると知り、予約をとりました。食のおたくの僕としては、ハチミツがどうやって造られているかを知るための、またとない機会となりました。
公共交通機関は、瀬戸電で終点の尾張瀬戸駅まで行きます。そこから名鉄バス・瀬戸北線に乗ります。最寄は「上品野」バス停なのですが、昼間は、上品野まで行くバスがありません!
そこで、同じバスで途中の「品野バスセンター」まで行って、そこから国道を30分ほど、てくてく歩いてゆきます。
ようやく、上品野のバス停が見えてきました。
バス停のT字路に大きな看板が出ています。
そのT字路を、国道を離れ、山のほうへ入っていきます。
ここから4キロの山道です。一時間半は見ておいたほうがいいでしょう。
キショウブの花がきれいに咲いておりました。
ところどころで、かわいい蜂ちゃんが案内してくれます。
綺麗な沢も、実は、車道の周辺はゴミだらけ。自然はゴミ捨て場じゃないよヽ(`Д´#)ノ
ヤマホウシの花が美しく咲いていました。
さあ、ようやく、ジブリの世界のような建物が見えてきました!
博物館のご夫婦が、あたたかく迎えてくださいました。
早速、ミツバチ体験のはじまりです!
(ここから先は、虫が嫌いな人は、みないでね!)
たくさんの巣箱が並んでいます。 そして、数え切れないほどのミツバチが雲のようにその周りを飛びまわっていて、ブ〜〜〜〜〜ンと、大きな唸りがあたり一帯に響いています。時間によって、音の高低が違うそうです。
動物臭がたちこめています。
巣箱のなかは、こうなっています。
ハチミツというのは、ミツバチが花から集めてくる《自分たちの食事》であって、 それを人間がいただいている、というわけです。
(ミツバチたちに感謝です)
この巣箱のなかに、養蜂家はミツバチたちに巣を作らせます。ミツバチたちは集めてきた蜜を、巣のなかに貯蔵していきます。
ひとつの巣箱に、5枚の板が入っています。
一枚の板の片面に1500匹いるそうで、巣箱にはぜんぶで15000匹のミツバチがいます。
このたくさんの蜂たちのなかに、女王蜂は、一匹だけです。
ほとんどが、働き蜂(メス)と、オス蜂です。
ピンボケですが、オスの蜂を手に乗せてもらいました。メスよりも、ずんぐりしています。針はありません。針はメスにしかないのです。それは卵管が発達したものらしいのです。働き蜂(メス)は、生殖の必要がありませんから、卵管が針に変わるのです。
蜂は空中で飛びながら交尾をするそうです。瞬間的に交尾をして、その一瞬の快楽が終わればオス蜂は下半身がちぎれて死んでしまうらしいです((((
;゚Д゚)))ガクガクブルブル
オスは、生殖が一番の役目です。しかしそれだけではなく、あまりに数が多いことを考えれば、巣箱内を温める役割があるのではないか、と、飼育員さんはおっしゃっておられました。
これは、燻煙機(くんえんき)です。
燻煙機は、蜂をおとなしくさせるために使います。 蜂は煙でいぶされると、おとなしくなるのです。 燻煙機はふいご状になっており、煙を噴きだします。
板の上で、ダンスをしている蜂がいました。 これは、蜜の場所を、仲間に伝えているそうです。飼育員さんいわく、おいしい蜜を見つけたら、人間はひとりじめしてしまいますが、蜂は必ず仲間に伝えるそうです。蜂は「群れ全体でひとつの生き物」と考えたほうがいい、とおっしゃっていました。
蜂は非常に合理的な生物で、夜が明けて花々がひらくと、働きはじめます。巣箱まで花粉をもってきますが、地面に落とした花粉は、絶対に拾わないそうです。人間から見ると、(せっかく運んできたんだから、もったいないから拾えばいいのに)と思うところですが、それがたとえ、巣箱のすぐ横であっても、絶対に拾わないのだそうです。蜂は細菌の恐ろしさを知り尽くしているのです。
蜂に、「もったいない精神」はないのです。
比較的おとなしいミツバチですが、たまには刺すこともあるそうです。この時も、働き蜂が飼育員さんの手を刺しました。飼育員さんも、慣れたものです。手には針が残りました。働き蜂のほうは、刺した後、速ければ数時間後には死んでしまうそうです。
こうして一枚一枚、巣板をチェックしてゆくと、ようやくのこと、たった一匹の女王蜂が姿をあらわしました。
円の中央にいらっしゃるのが、女王さんです。女王蜂の周囲に円を描くように、蜂たちが守護しています。この円を、「ロイヤルコート」というそうです。
女王蜂は移動しながら、巣穴の一個一個に卵を産みつけてまわっています。
ふつうの蜂は、蜂蜜をエサに食べていますが、女王蜂は「ロイヤルゼリー」という特別に栄養豊富なエサを食べています。だから、体も非常に大きくなるのです。寿命も、普通の蜂は40日ほどですが、女王蜂は3年くらいは生きるそうです。
■ 食の安全のおはなし
蜂の病気を予防するために、蜂たちに抗生物質を与えます。人工花粉を用意しておいて、そこに抗生物質を混ぜておく。それを蜂たちが吸いに来て、摂取するというわけです。
ハチミツを口にする消費者としては、蜂に与えられた抗生物質が、人間の健康に影響しないかどうかを考えるところです。そこで養蜂側としては、抗生物質が残留しないようにと、その年の最初の蜂蜜は、専門の検査機関で厳密に検査を行なっている、とのことでした。
抗生物質も一種類では効かなくなってしまうので、三種類ぐらいを、年がわりにじゅんぐりに使っていくとのことでした。
(人間と同じで、抗生物質もだんだん効かなくなって、量も次第に多くなっていくのでしょうか??)
こうして抗生物質を使う手法は、「ケミカル・コントロール」と呼ばれるそうで、 ケミカル・コントロールをしてでも蜂を病気から守らねばならないのは、蜂の病気に対して、厳しい法律があり、少しでも重大な病気が発生すれば、全部の蜂を処分しなくてはならなくなる。そして、蜂の生体には、一切、何の保障金もおりない。だから、抗生物質を使ってでも、蜂の生命を守らなくては、仕事が成り立たないのだ、ということでした。日本では、国のシステム上、ケミカル・コントロールに頼らざるをえない仕組みになってしまっているのですね。
アメリカには、アメリカ腐蛆(ふそ)病という重大な病気があるために、ケミカル・コントロールが当たり前とのこと。中国は、日本と同じような感じで、法律も厳しくやっているが、人件費が安いため、価格が安くなるとのことでした。
逆に、ヨーロッパでは、ケミカル・コントロールしない、有機養蜂が主流とのことでした。その原因はよくわからないのですが、風土的に、養蜂しやすい風土ということなのでしょうか?? 養蜂の歴史の長さ? 意識の問題?
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さあ、ここからはいよいよ蜜を採取していきます。 燻煙機でおとなしくさせて、、、
ブラシで、巣板についた蜂たちを、やさしく払い落としてゆきます。蜂がいなくなったら、板を屋内へ運びます。
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