ベジタリアン料理の種別


動物性食品
植物性食品
遺伝子組換作物
合成添加物
サプリメント
カフェイン
アルコール
ヴィーガン
×

(※2)

(※2)
マクロビ
×
×
×
(可能な限り)
×
×
×
精進料理
×

(五葷以外※1)

(※2)

(※2)
×
ハラール

(豚以外)
×

(豚由来以外)

(豚由来以外)
×


 この表はあくまで、僕のこれまでの観察と経験の結果を表にしたものですので、異論もあろうかと思いますが、とりあえず叩き台ということで、どうかご寛容のほど、よろしくお願いします。

 ヴィーガンの人、マクロビの人、仏教者、イスラム教徒、それぞれの人に、各項目についてどういう考えをもっているか、具体的におうかがいしてみたいものです。


 さて、それぞれの項目について見ていきたいと思います。



 ヴィーガンの着眼点は動物愛護、すなわち、「動物性か否か」ということですので、それ以外の部分はこだわりません。ですので、四つの分類のなかでは、一番ユルいと言えるでしょう。
 添加物については、本来的には「動物性」のものを排除すべきですが、このことについては後述します。


 マクロビ(=マクロビオティック)は、「自然との調和」が着眼点になっているので、自然物へのこだわりが強くなります。ですので、四つの分類のなかでは、一番キビしくなります。それだけ、健康によりそっている、ということです。このため、添加物等を気にされる方は、「マクロビ」をうたっているお店を選べば、比較的安心して外食ができます。


 精進料理は、仏教思想の「不殺生」が着眼点ですので、ヴィーガンと同じく、動物性のものを排除します。添加物出現前の古い思想ですので、添加物や遺伝子組み換えにはこだわりません。
 しかし、自分の頭と心とで仏道を考えている良心的なお店・お寺では、できるだけ添加物や遺伝子組み換え品を使わないように気をつけていらっしゃるようです。
 添加物も、動物由来のものを避けるべきですが、そこまで精査されているお店・お寺はなかなかないのが現状でしょう。そのことについては後述します。

 (ここでとりあげているのは、修行僧の方が食べていらっしゃる精進料理ではなく、一般向けの外食としての精進料理です)


 ハラールとは、イスラム教徒の食の戒律です。昨今の東京オリンピック招致で、よく聞かれるようになりました。
 調べてみると、遺伝子組み換え作物NGというのが、意外でした。……ということはイスラム教徒の方々は、遺伝子組み換え大国のこの日本においては、ほとんど外食は無理でしょう。まずは油が、外食ではほとんど遺伝子組み換えでしょう。
 上表で照らし合わせてみますと、イスラム教徒の方々はヴィーガン料理や精進料理はNGで、マクロビのお店へ行けばよいということがわかります。(もちろん、個々のお店の方針は異なりますので、確認が必要です)。

 しかし考えてみれば、アラブの大富豪ってイスラム教徒ですよね。アラブの大富豪に頼めば、遺伝子組み換え反対運動のチョー強力なスポンサーになってくれるのでは?? ……どうやって頼めばいいか、よくわかりませんが……(笑)


 僕自身はこの分類では、マクロビ派ということになります。(実際にはマクロビ思想者ではありませんが)。




※1、五葷(ごくん)とは、匂いの強い野菜、ネギ・にんにく・にら・らっきょう・あさつき、で、仏教ではこの五種を禁じています。


※2、ヴィーガンと添加物、精進料理と添加物

 多くの人にとって、添加物を理解することへの敷居の高さは、想像以上のものがあります。本来、動物性のものを精査して省かなければならないはずのヴィーガンや、精進料理を作る仏教者であってさえ、添加物の実体についてよくわかっていないことが多いです。その難しさの理由のひとつは、添加物が隠されていることにあります。

 日本では、添加物は原材料表示されているものだけではなく、「加工助剤」「キャリーオーバー」「一括表示」によって、消費者の目に見えない形になっています。これら、隠された添加物については、その会社に電話で尋ねても、教えてくれないことが多いです。あるいは、応対してくれた社員自身が知識がなく、よくわかっていないこともあります。その会社が、添加物の含まれた商品を、原材料として使った場合(キャリーオーバー)、使った側の企業は、もともとの添加物を把握しない場合も多々あります。 また、問い合わせてくる消費者が面倒くさくて、明らかな嘘をつく会社も、たまにあります。
 このように、消費者からは、なかなか真相が把握できないのが現状です。


 たいていは、原材料表示に添加物が並んでいればいるほど、隠された添加物のほうも多くなります。それらの添加物のなかに、動物性素材がないとはいえません。

 添加物が隠されている以上、ヴィーガンにしても仏教者にしても、添加物を追跡するのは難しいです。その会社自身が把握していないこともたくさんあります。
 ……であるならば、最初から得体の知れない素材でつくられたものは相手にせず、よく素性の知れた素材のみで作られたものを選択するということを、本来はするべきでしょう。マクロビでは一般的に、そういうことをやっています。


 添加物を許容するということは、知らず知らずのうちに動物性添加物の使用に加担することになりかねないのだということは、ヴィーガンの方々も、仏教者の方々も、知っておくべきことだと思います。


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